大学の9月入学

東大が入学時期を現行の4月から9月に改めるための
 作業の中間報告を纏めたという。
 その理由を幾つか挙げているが、どうやら
 最大の要因は大学の地盤沈下のように思える
「多くの海外の大学が9月入学になっている」、のは最近に
 始まったことではないから、現時点で入学や卒業を迎える
 学生たちに多大の迷惑や混乱を与えて、手直しを
 行わなければならない理由ではない。

外国(特にアジア地域)の優秀な学生が留学先に選ぶのが
 日本でなくなった事実が、(全世界の大学評価の
 ランキングで東大の地位が大変に低下したことと
 相俟って、)今回の手直しの最大の理由だろうと
 私は推測する。

何故その様な事態になったかの本質的反省が無く、
 現象だけを見て思い付きの対策を講じるこの姿勢が、
 事態の本質を露呈している。

「大学のグローバル化を目指して」などという本音を隠した
 表現にも、その不誠実さが表れている。
研究レベルの問題は今回は一応除外して、学生の質の
 劣化には明白な原因がある。

もっと正直に 嘗てはアジア諸国の一流の人材が日本での
 留学を志していた事実を認め、何故そうでなくなったか
 を検討すべきである。

 既に引退して久しい私は世界の現状をよく知らない。
 が、少なくとも私の現役時代では、日本の大学が欧米の
 それと大きく異なるのは、入学してしまえば間違いなく
 卒業免状を貰えることだった。
欧米では入学後の大変な努力なしには卒業が出来ない
 ので大変に個人的に気の毒な事例を多く見てきている。
 が、日本では一旦入学した学生は4年後には卒業証書を
 貰うことが保障されていた。
 学生が如何に不勉強であってもそれ故に卒業させない
 のは教師または学校が非常識だと取られていた。

リバタリアニズム(フリードマンの思想)の説くとおりで、
 外国の一流の学生は留学先に日本を選ばなくなり、
 学歴の評価としても日本の大学を出ても評価されなくなった


   ★ ★ ★ ★ ★ ★

学生の質の問題だけではない。 東大教授にしても、
 または東大を卒業して他の大学の教授になっている人達
 にしても、学問的にも、人物的にも非常に問題の多いこと
 をブログに書いたこともある。:
  ▲ 性悪説論者の弁(5) :[B-56]
この辺を反省せずに、入学時期の変更で
大学のグローバル化とは聞いて呆れる。


   ★ ★ ★ ★ ★ ★

東大だけではない。 日本の教育を此処まで駄目にした
 行政の責任については
  ▲ 「デノミの勧め・3」わが子は私学教育行政:[B-19]
  ▲ 伝統文化と常識の変遷(2) :[B-58] 

に書いた。
 その他にも、この関連でのブログ記事としては、
   以下のモノも見て頂きたい。
  ▲ 「デノミの勧め・1」学生の学力低下:[B-17]
  ▲ 「デノミの勧め・2」大学と大学教授:[B-18]
  ▲ センター試験と老人の感慨 :[B-108]
  ▲ センター試験と老人の感慨(続) :[B-109]
  ▲ センター試験と仕分け:[B-118]

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