66回終戦記念日

1945の原爆、終戦、から66年目になるこの8月に、
  戦中派の私は、若い人を相手にメモを残しておきたい。
でも、言いたいことは今までに言い尽しているだけでなく、
  老化の進んだ今では、以前よりも表現能力も衰えて
  いるので、以前に書いた記事の引用を多くして、
  此処に感想を纏めて置く。

     ★ ★ ★ ★ ★

現在の我が国の主要な関心は、3.11の地震、津波と、
  それに伴って発生した原発に関する諸問題、とである。
  これらの歴史的難題に対処することになった
  政治の当事者(民主党政権)は、戦後66年間の
  最低の政治家集団である
  (参照:▲ 管はなぜ辞めないのか: [L-80])。
このことは、旧い川柳:「売り家と、唐様で書く三代目」、
  を想い出させる。

本当に厳しい思考体験をした人は矢張り立派な発言をする、
  と私が感じたのは、現下の諸情勢の下での広島、長崎
  両市長の発言である。


広島、長崎の原獏被害者慰霊祭は、福島原発の事故
  を生じた今年は特別な思いが込められるものとなった。

5/10に初当選した広島市の松井一実市長は
  「政府に脱原発も含めてエネルギー政策の転換を
   求めたい」と話していたが、8/6の広島市の
  平和宣言では脱原発に踏み込まなかった。

8/9の長崎市の平和宣言で、田上富久市長は、
  「原子力に代わる再生可能なエネルギー開発の
   必要性」は訴えたが、宣言文に「脱原発」の
  文言は盛り込まなかった。
  田上市長は「個人的な思いは、行きつく先は
  原発の無い社会」と明確に述べているのに、である。

長崎市の平和宣言が始まった1948年には
  「偉大な原子力は世界平和のため人類の福祉に
   貢献せられんことを熱望する」、と述べ、
  1949年には「核の平和利用」を希求した。
  原発の大きな転機となったチェルノブイリ事故の
  起きた1986年にも、当時の市長だった本島等は、
  「教訓を核戦争防止に向けて活かさなければ」
  とするにとどめていた。
こうして見てくると、歴史の大きなうねりを思わずにいられない。

     ★ ★ ★ ★ ★

3.11以来の現下の世論情勢の中で、広島、長崎市長
  の上記のような平和宣言には、苛立ちや不満
  の声も多くある。

例えば8/9の毎日新聞・記者の目欄で下原知宏、長崎支局
  記者は不満を書き綴っている。 新聞記者なんて
  のはそのレベルであろう。

浅間山荘事件があったときに、前日まで「純真な青年」
  と書いていた同一の人物を「暴力集団」、と簡単に
  言い換える連中だから。

しかし、本当に地道に人生を信念に活きてきた人、
  例えば、長年被爆者運動の先頭に立ってきた
  被爆者団体協議会顧問の山口仙二は、原発の
   是非は国民が議論して決めるべきだ、と
  市長に理解を示している。

上記の本島は、被爆地長崎の市長を4期務めた
  真面目な人物で、その話は
(▲ 久間事件・戦後を問い直す(5) :[A-54])
  にある。

その本島も、「我々は核兵器を止めることは出来ても、
  科学の進歩を止めることは出来ない。
  原発はいらない,と言うのは簡単だが、市長が
  そう簡単に脱原発とは発言出来ない」、と
  田上市長を擁護している。

昨日8/14のテレビには池上彰の終戦、戦後の歴史展望
  の長時間番組があった。
  1945/8/14になってもまだ、皇居内での反乱軍将校の
  際どい動きがあって、決してすんなりと8/15の玉音放送
  に行ったのではないことを描いていた。 これについては
▲ 終戦62年と柳澤恭雄氏の死:[A-62]
  にも書いてある部分の状況が、盛込まれていなかった
  のが残念である。

兎も角、1945/8/14、15になっても、すんなりと終戦に
  行ったのではなく、紙一重の危機的状況の中で
  終戦が成り立ったのだということを、若い世代は
  知らないのを、口惜しく思う。

昨日のテレビ番組の中でも若い評論家が東部軍管区
  司令官が自決した話題を見て、
  「何もあそこで死ななくても」、と発言しているのを見て、
  私は本当に残念に思った。
  誠実な人々の努力の積み上げの上に現在の社会が
  生まれてきたことをもう少しキチンと伝承して
  いかなければならない。

戦後だって、例えば、▲「縁」に就いて(4) 中山正男:[B-48] 、
に書かれているような、努力があったのだ。 先人の大変な
努力の積み上げがあって、現在の日本ができたのである。

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  • 66回終戦記念日、補足

    Excerpt: 昨日公開の前記事に、ご注意を頂いたので、補足を。  前回の記事の末尾に、      「テレビ番組の中で、 若い評論家が、    東部軍管区司令官が自決した話題を見て、    『何も、死ななくて.. Weblog: 変人キャズ racked: 2011-09-21 04:00
  • グル―と終戦の事情

    Excerpt: 人類の歴史を振り返ると、人類は有能な人達を然るべく処遇し、活かしてこなかったことについて、前回記事: ▲ 稲むらの火と古賀茂明:[C-260] の中で    ▲ 「再審決定」、:[C-56]、.. Weblog: 変人キャズ racked: 2011-10-04 06:17