鳩山総務相の辞任

2009/6/12に鳩山邦夫総務相が辞任した。
実は、この日まで、私は鳩山総務相に相当な好意を持ってマスコミ報道を見ていた。
勿論鳩山氏に面識もないし、具体的な人柄などは何一つ知らないのだが、
日本郵政が「簡保の宿」の超安値売却で国民の財産を処分したことを追求し、
東京駅前の文化財ともいえる中央郵便局舎を気楽に破壊するのを差し止めたこと、などは
“わが意を得たり”と思って見守っていた。

このように現在の政治家では珍しく、私利私欲(集票の打算)を離れた政治主張をする得難い人材だが、
上に立つ総理が現在の国家財政ピンチの中でマンガ喫茶に100億円単位の支出を組むような馬鹿な人物だから、
鳩山氏一人で頑張らねばならないのは気の毒だ、

     と思っていた



麻生総理という人物が、
   「何かしたくて首相になるんじゃなくて、首相になるのが目的の人だ」
というのは、だれの目にも明らかであり、
その時かぎりの思いつきでの政策発言が、如何にいい加減で論理矛盾をむきだしにしているかは、
例えば、晩秋ブログ:

    ” 「春の大連休」に国を憂う:[L-37]:[09/5/3]

に書いてあるとおりである。


政治家が発言に責任を持たなくなったのは、小泉首相以来であるが、
それでも小泉は発言を変更するときには、「大した問題ではない」と言い訳をして、恰好をつけようとした。
  { NHKと小泉元首相:[C-172][2008/9/27]}


麻生総理に至っては、言い訳もせずに発言内容を変えるのだが、
最初から、「言葉に責任を持つ」、という大人の倫理観は欠如しているのだから、
良心の痛みなどは全くない。


数々の名セリフの中で最もスゴイのが、「自分は郵政民営化に反対だった」、というものである。

これが事実であるにしても、普通ならば、死ぬまで秘匿するか、
   せめて引退後の回想録に書く
ことである。
現職の、それも与党総裁の立場で、これを云うというのは、
厚顔無恥なんていうレベルではなくて
 頭脳の神経のある部分が、完全に欠落している証拠であろう。

このことを世の人は、麻生総理は「ぶれ続ける」と言うが、
   私はそれは間違っていると思っている。
「ぶれる」というのは、中心軸のある人の話である。
   軸が存在しないならば、ぶれるということはないのである。
背骨の無い、ナメクジとかタコの運動はぶれるとは言わないのである。

上記の晩秋ブログで、
高速道路料金を安くすることと、地球温暖化対策を唱えることの矛盾
     を指摘しているが、
マンガしか読まない人物に論理性を求めることは、土台無理
     なのである。

これに対して、鳩山氏は、
「西川社長の責任追及を放棄するのは、正義感を捨てることになる」
   と言っていた。
「正義感」、とは私などには、嬉しい言葉である。

「かんぽの宿」の譲渡先がオリックスであるということで、庶民には、その裏事情が見え見えであるが、
この種の政財官一体のうまい汁利益に対しては、政治家は勿論、マスコミも口をつぐんでしまうのが常だったから、私は本当に感動していた。
こういう政治家がいるのならば、世襲制の論議も単純一律にしてはならないな、
     と思ったりもした


これに対して、麻生総理が最終的に鳩山を切って郵政民営化族に媚を売るであろうことは、
   かなり前から私には見え透いていた。

彼の従来の行動パターンから、容易に推測の付くことである。
もしも本当に鳩山氏をサポートする気があるのならば、もっとずっと早い場面で行動出来たはずだから。
そして、鳩山氏にもそれは分かっているが、公式の場では、その様なことは言えないだけだ、

   と思っていた

しかし、ここ一両日で、私の理解は根底から逆転した。



もともと、鳩山氏が麻生氏を過去の党内総裁選でずっと支持してきたことは承知していて、いささか不思議に感じてはいた。
私のように遠方から見ている人間とは違って、近しく付き合えば人間の器量は分かる筈であるのに、と思った。
しかし、ここ数カ月の発言だけで判断すると、鳩山氏の発言は全て私の言いたいことを言ってくれるので、買っていた。

それが、西川氏は続投が保障されて、自身は実質的に更迭されたのに、その後も、
「麻生首相も当初は、日本郵政の西川社長を替えなければならないという点で一致していた」
   と語り、
「首相は色んな人の意見を聞かざるを得なくなって突然、方針転換した」
と言った。

「麻生総理は今回は判断を誤ったが、
  あれだけ立派な人だから・・云々・・」
  と言っているのを知って、一体これは何だろう、と思った。
西川氏の追求というのも、或いは何か個人的な恨みでもあってのことなのか?、と考えたりもした。

小泉はペテン師であり、麻生は幼稚園児レベルの知能しかない馬鹿であるが、
  私が買い被っていた鳩山氏も、この程度だったとすると、
日本の指導層とはそこまで落ちたのかと思い、
 長生きしすぎて見たくないものを見るのは不幸だなあ、と思った。

この記事へのコメント

Alps
2009年06月16日 07:28
特に政治や芸能の世界では一皮めくれば・・は誰も感じている。今度の簡保の問題にしても、郵便制度悪用事件にしても、中央郵便局の改造問題にしても、言挙げする人が居て国民の大部分はその堕落を知った感がある。
馬鹿総理の手紙を信じたのが馬鹿だったと言うのも国民からすると情けない発言だ。元々馬鹿であることはみんなが知っていたと思っていたのに、傍にいる者が知らなかったとは情けない話だ。
要は選良と言われる人種もこんなレベルだし、そんな連中を選んだ選挙民の責任もある。
変人キャズ
2009年06月18日 04:49
Alpsさんの言うとおり、「傍にいる者が知らなかったのが情けない話」というのが、このエントリーで私の言いたいことだった。
そして、「そんな連中を選んだ選挙民の責任」も同感である。
しかし、現在は、その選挙民の7割が麻生を批判しているのを見ると、社会システムとはどういう形態が望ましいのだろうか?

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