:私の独り言{前置き[3b]老害事件}
本編の目的は、{{前置き[2]}・老化の自戒}に書いた、『老人の正義感の危うさ』、の説明をすることである。
前記事{前置き[3a]老害事件}に引き続き、本稿中で私が云いたい事は、 皆が賢明でないと現在の長寿化した人間社会は極めて危険だという事である。
先の記事のH教授は非常に正義感が強い人格者で、後にその大学の学長に、選出された人物である。
が、実は{前置き[2]老化の自戒}の話題の頃、既にボケていた。
でも、誰一人それに気が付く人は居なかった。
その為、Y君は {「[2]老化の自戒」文中★3項} の出来事に戸惑い、悩んだのである。
現在の長寿社会では、同様なことが至る所で起り得るので、その警告の意味で、本編を書くのである。
主題を進める前に「ボケ」に就いて少し説明をしておく必要がある。
老人ボケの症状には、幾つか特徴があることを、嘗て読んだことがある。
★1.記憶障害の様相 ★2.症状出現強度の特徴 ★3.「自己有利」主張
★4.まだら呆け ★5.感情残像 ★6.呆け症状の了解可能性
などの実態を知ると、身近に該当者が居ない者としては驚く。 しかし、社会的な意味を考えると、驚くだけでは済まない、恐ろしさを感じた。
例えば、[★2.症状の出現強度の特徴]=(より身近な者に、より強く症状が出る)を読めば、呆け老人を介護する人の辛さが理解出来る。
『介護はしない親戚が、舅を信じて嫁を悪く言う』のは身辺で最も親身に尽くす嫁に対し症状が出るからである。 嫁以外の人は彼がボケている等とは思っていないのである。
同様に[★3.自己有利の主張]=(自分に不利なことは認めない)は、『失禁で布団を汚して「孫がやった」と主張』する時に、言い訳でなく、そのように信じている。
[★4.まだら呆け]=(呆けたことを言ったり、きちんとした話をしたり)、するから、『こちらの方が気が変になりそう』になる。
こういう特徴を持つボケ老人が、社会の中枢で権力を持っていることを、([★2].の事情で)周囲の人達が認識していないのは大変に危険な事である。
現実に、それがY君の大学で起ったのだ。
学長を選挙で決める時、T氏に可愛がられて居たY君や、その他少数の人物は、[★2].の事情でT氏のボケに気が付いていた。
だが、学内の殆どの人はそれを知らなかったので、T氏を学長に選出してしまった。
時日と共に次第に、学長の異常さに気付く人が増えてきたが、矢張り敢えてそれを口にするのは憚られて其の侭になった。
流石に任期の終わり頃になると、過半数の教授達がそれを知って、教授会は異様なものになった。
例えば、元々が正義感が強い学者のT氏は、ある学科が提出した人事案に就いて「この候補者が専門分野で日本一の人でなければ認めない」と主張した。
超一流大学でも、日本一ばかりを集めるのは無理。 増してや・ ・という次第で提案者は困って仕舞った。
処がT氏自身は、自分の講座の助教授に、知人の子息の、大した人物でもない男を採用していた。
自分に対する尺度と、他人に要求する尺度は誰しも、ある程度はズレルものだが、これは余りに酷かった。
でも[★3.自己有利の主張]で、T氏自身は全く矛盾を感じてないのである。
この様な事態は、Y君の大学だけで、極めて稀な出来事として発生したものではない、と思う。
「昔、立派であった人」でも危険である。
勿論老齢に達しても素晴らしい人材は多い。
しかし、Y君の大学で、過半数の教授達が学長のボケに気付いても、任期一杯まではそのままにしたことを思うと、 矢張りある年齢になったら、老人は社会的に身を引くのが正しいと思う。
「折り焚く柴の記」の新井白石の父が言う通りに。
前記事{前置き[3a]老害事件}に引き続き、本稿中で私が云いたい事は、 皆が賢明でないと現在の長寿化した人間社会は極めて危険だという事である。
先の記事のH教授は非常に正義感が強い人格者で、後にその大学の学長に、選出された人物である。
が、実は{前置き[2]老化の自戒}の話題の頃、既にボケていた。
でも、誰一人それに気が付く人は居なかった。
その為、Y君は {「[2]老化の自戒」文中★3項} の出来事に戸惑い、悩んだのである。
現在の長寿社会では、同様なことが至る所で起り得るので、その警告の意味で、本編を書くのである。
主題を進める前に「ボケ」に就いて少し説明をしておく必要がある。
老人ボケの症状には、幾つか特徴があることを、嘗て読んだことがある。
★1.記憶障害の様相 ★2.症状出現強度の特徴 ★3.「自己有利」主張
★4.まだら呆け ★5.感情残像 ★6.呆け症状の了解可能性
などの実態を知ると、身近に該当者が居ない者としては驚く。 しかし、社会的な意味を考えると、驚くだけでは済まない、恐ろしさを感じた。
例えば、[★2.症状の出現強度の特徴]=(より身近な者に、より強く症状が出る)を読めば、呆け老人を介護する人の辛さが理解出来る。
『介護はしない親戚が、舅を信じて嫁を悪く言う』のは身辺で最も親身に尽くす嫁に対し症状が出るからである。 嫁以外の人は彼がボケている等とは思っていないのである。
同様に[★3.自己有利の主張]=(自分に不利なことは認めない)は、『失禁で布団を汚して「孫がやった」と主張』する時に、言い訳でなく、そのように信じている。
[★4.まだら呆け]=(呆けたことを言ったり、きちんとした話をしたり)、するから、『こちらの方が気が変になりそう』になる。
こういう特徴を持つボケ老人が、社会の中枢で権力を持っていることを、([★2].の事情で)周囲の人達が認識していないのは大変に危険な事である。
現実に、それがY君の大学で起ったのだ。
学長を選挙で決める時、T氏に可愛がられて居たY君や、その他少数の人物は、[★2].の事情でT氏のボケに気が付いていた。
だが、学内の殆どの人はそれを知らなかったので、T氏を学長に選出してしまった。
時日と共に次第に、学長の異常さに気付く人が増えてきたが、矢張り敢えてそれを口にするのは憚られて其の侭になった。
流石に任期の終わり頃になると、過半数の教授達がそれを知って、教授会は異様なものになった。
例えば、元々が正義感が強い学者のT氏は、ある学科が提出した人事案に就いて「この候補者が専門分野で日本一の人でなければ認めない」と主張した。
超一流大学でも、日本一ばかりを集めるのは無理。 増してや・ ・という次第で提案者は困って仕舞った。
処がT氏自身は、自分の講座の助教授に、知人の子息の、大した人物でもない男を採用していた。
自分に対する尺度と、他人に要求する尺度は誰しも、ある程度はズレルものだが、これは余りに酷かった。
でも[★3.自己有利の主張]で、T氏自身は全く矛盾を感じてないのである。
この様な事態は、Y君の大学だけで、極めて稀な出来事として発生したものではない、と思う。
「昔、立派であった人」でも危険である。
勿論老齢に達しても素晴らしい人材は多い。
しかし、Y君の大学で、過半数の教授達が学長のボケに気付いても、任期一杯まではそのままにしたことを思うと、 矢張りある年齢になったら、老人は社会的に身を引くのが正しいと思う。
「折り焚く柴の記」の新井白石の父が言う通りに。
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