人類滅亡論[3] 自然科学の進歩による滅亡

生物種はその最も得意な武器(マンモスの牙)によって繁栄し、そしてその繁栄の頂点で、まさに同じ武器(邪魔な牙)で滅亡する。
知能で繁栄した人類は(文明)に依って滅亡するが、その時具体的な凶器になるのは、エネルギー多消費による環境汚染か、テレビによる社会破壊だ、と私は思っている


20世紀は自然科学の世紀とか、物理学の世紀とか言われるが、物理学の進歩をもたらした3大学派ミュンヘン、ゲッチンゲン、コペンハ-ゲン、の中でも最も急進的なゲッチンゲン学派の総帥のボルンが晩年には、「科学の進歩というものが喜ぶべきことかどうか」に、かなりの疑問を持っていた。
これには湯川先生も同感の趣を書いていられるし、フィリップス社の指導者になった、コペンハ-ゲン学派のカシミ-ルも自伝に「私は一科学者として、企業研究機関のマネジャ-として(現代)科学技術の成果に、それなりの誇りを持って良いと思って居る。 しかし、一世界市民として、また一個の人間としては、喜ぶと言うよりも深い憂いを覚え、現在の“奇妙な”科学技術時代に一片の憂いを持たぬ人を信用する気になれない、と述べている。


このような話を何人かの身近な人に話した時に驚いたのは、私よりもほんの少し若い人達が、原爆開発のマンハッタン計画発足の経緯、フェルミやアインシュタインなどの科学者がナチスによる原爆開発を恐れて、ル-ズベルトを動かした経緯や、その責任者のオッペンハイマ-が後に水爆反対で追放された事などを全く知らない事です。
懸命の情念も、歴史的事実も忘れられるものではありましょうが、戦後僅か半世紀でこれ程とは、私も全く考えませんでした。


オッペンハイマ-は、ドイツの原爆開発を心配して、親しかった(ドイツに停まっていた)ハイゼンベルグの暗殺計画まで実行しかけていた
ことが、後にバレました。

ドイツ降伏後の広島原爆投下の直前に、ハイゼンベルグからの仁科氏宛(他に嵯峨根氏宛も)の手紙が、米軍機により広島に投下されました。 
 この事実が、何を意図したのか分かるではありませんか。

▲これら科学者の、人類を破滅から救うための、必死な努力の歴史も、優秀な人材が民族のために残した「わだつみの声」も、こうして忘れられて行くのでしょうか。

原爆投下という皆が知っている大事件の直前のこれ等の事実と[意味]を、恐らく、その時代に生きた多くの方もご存じないでしょう。

私はこの事実を知った時、何人かのメデイア人種(TV,新聞、週刊誌関係者)に話しましたが興味を示した人物は誰一人も居ませんでした

現在社会への影響の大きさから云えばTVが最大ですが、この話への反応の鈍さもTV関係者が最高でした。   賢者は歴史から学び、愚者は経験からのみ学ぶ、とビスマルクは言うが、経験しても記憶しない阿呆が影響力を持つ社会は本当に危ういです。

戦中派としてあの時代を生きて来た私から見ると、戦争で出来の良い若者が選択的に亡くなり、心身に欠陥の有る連中が残ったのが、戦後日本を悪くした最大の原因だ、と思います。
戦争を憎むべき理由の一つは、戦争の持つこの様なメカニズム(阿呆保存法則)に在ると考えます


恐竜は隕石により瞬間的に絶滅し、マンモスは人類発生による環境破壊で短期間に死滅した。 人類は500万年の歴史を最後の100 年間に生じた出来事、石油の発見とテレビの発明に依って滅亡する。
  諸行無常 是生滅法 。

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