国家財政赤字の歴史(2)

11月7日のNHKスペシャル、「862兆円の借金は、こうして膨らんだ」、の番組が、ブログ界で大層評価が低い、のを知って、
この放送に過大な期待を持った私の愚かさを、反省させられた。
これらの批判的なブログ記事には、当然ながら、私がNHKの放送番組を見ながら取ったメモと同一の内容も多く書かれているので、私自身のメモの替わりになる部分を含めて、それらの記事を紹介する。

        ★ ★ 引用・紹介 ★  ★

     あゆみ野四季の道
には、私がNHKの放送番組を見ながら取ったメモと同一の
   内容が多く丁寧に書かれている。
   私自身のブログに、その部分を入れなくても、
   用のある時には、これを見ればよい、と考えた。
このブログ記事の存在と、 このブロガーの
   NHK番組への感想を、此処に残しておく。

     □ ▲ ● □

[NHKスペシャル11・7]、は、 なぜ、これほどまでに
   借金が膨れ上がったのか、日本の借金体質が
   どの時点で発生し、そしてそれがなぜ、現在も
   続いているのかを検証しようとした番組である。
   理解するのが、かなり難しい番組だ。
   この番組内容をチェックしてみたが、実際に赤字国債が
   発行された昭和40年から、現在までの約半世紀の
   財政史を大蔵官僚の証言で追うのは
      並大抵のことではない。   (中略)
   財政史そのものがかなり専門的なことだし、官僚の
   証言が当時のものか後で行ったものかよく分からず、
   かなり頭が混乱した。

     □ ▲ ● □

番組は、本来赤字国債の発行が許されていない日本の
   財政法の中で、なぜ赤字国債が増加し続け、
        それを止めることができなかったかを、
        旧大蔵省の内部文書から見ている。
   登場人物の多さに閉口した。

注)日本の財政法の建前は赤字国債の発行を禁止し、
     建設国債だけを許容する仕組みになっている。
   財政法が赤字国債を禁止したのは、戦前・戦時の
     財政がこの赤字国債でまかなわれ、最終的には
     異常なインフレーションをもたらしたため。
   したって赤字国債を発行するためには
     特例法を制定して実施することになる。

        ★ ★ 引用・紹介 ★  ★

     気まぐれな日々
は、非常に厳しく、[NHKスペシャル11・7]番組に呆れる、
   とまで言って批判している。 これを紹介する。

     □ ▲ ● □

ひどい番組だった。 財政赤字を積み上げた歴史を、
   旧大蔵省幹部の極秘証言録を入手したと称して、
   財務省の論理、財政再建厨の論理から、
   「これだけ『お国の借金』があるのだから、国民は
   社会保障切り捨てに耐えろ、消費税の大幅増税を
   受け入れろ」、と脅迫するだけの、番組だった。

   一方的な立場からのプロパガンダ、に徹した
   番組内容は最低で、ひどかった。

     □ ▲ ● □

1965年の不況で、初めて赤字国債を発行したあと、
      国の財政を、借金漬けにした元凶として、
   田中角栄の「福祉元年」(1973年)をあげていたが、
   ここで早くも「社会保障費の増大」を槍玉に挙げる
      番組の制作姿勢が、むき出しになった。
だが事実は、田中角栄は、当然の政策を行おうとした
   だけの話だ。 そこに折悪しく石油ショックが
   襲ってきたのが、日本にとって不運だった。

     □ ▲ ● □

番組はさらに、1978年の福田赳夫内閣の大型予算を
   批判していたが、元来緊縮財政志向の強い政治家
   だった福田赳夫が、この年に大型予算を組んだ
      のは、間違いではなかったはずだ。
   これで1979年には景気が回復したのだが、
   またしても折悪しく、第2時石油ショックに襲われた。

     □ ▲ ● □

1979年に、福田赳夫から代わった、大平正芳首相が
   一般消費税導入を掲げながら、これを撤回し、
   衆院選でも自民党が大敗に追い込まれた件では、
   自民党を総選挙で敗北させた国民は馬鹿だった
     と、言わんばかりのナレーションだった。

     □ ▲ ● □

何よりおかしいのは、この番組はバブルを招いた
   中曽根政権や、バブル期に壮大なバラマキをやった
   竹下政権への言及が何もなかったことだ。


いきなり細川政権時代の「国民福祉税」構想に話が飛び、
   細川護煕がインタビューに応じていた。 米クリントン政権
   の圧力で所得税減税を強いられて減った税収の穴埋め
   として、大蔵官僚と小沢一郎が主導して消費税増税
   を狙ったが、消費税増税は実現できず、所得税減税
   だけが実施されたので、バブル期の税収増で発行を
   止めていた赤字国債を再び発行する羽目になった
        という言い方をしており、   要するに
   大蔵官僚や小沢一郎の主張通りに、消費税を
   しなかった政府、及び増税を許さなかった国民
       が悪い、 といわんばかりだった。

     □ ▲ ● □

そもそもこの番組では、バブル期を中心に所得税減税を
   どんどん進めていって、所得税の累進性を大幅に
   緩めたことについて、何一つ言及していなかった。

   「消費税を増税しなかったから財政赤字が膨らんだ」
   という一点張りだった。

そして、悪名高い橋本龍太郎政権の「6大改革」については、
   せっかく橋本政権時代に与謝野馨らが尽力して
   財政再建の足がかりを作ったのに、運悪く1997年の
   山一証券破綻などで頓挫したと言わんばかりであって、
   橋本内閣の緊縮財政志向が日本経済に冷水を
     浴びせたという、当時は当たり前だった認識
   については、  完全に頬かむりしていた。 (中略)

     □ ▲ ● □

番組は小渕内閣時代の大型財政出動を批判したが、
   小泉・竹中の「構造改革」には全く触れずに終わった。
   それは、NHKが入手したという、「旧大蔵省幹部の
   極秘証言録」というのが、昭和40年(1965年)から
   平成12年(2000年)までの分だったからだと
   NHKは言うのだろう。

     □ ▲ ● □

白々しい話である。  20年ほど前、大蔵官僚が
   直間比率の是正だとか、税制の簡素化だとかを
   錦の御旗にして、どんどん金持ち減税を進めていった
      ことなど、もちろん何も触れない。

1991年度に26.7兆円あった所得税収が、
      2009年度には、12.9兆円と半分になり、
   1989年度に19兆円あった法人税収が
      2009年度には、6.4兆円と3分の1になった
   ことなど、その気配も、うかがわせない。

ましてや、累進制のはずの所得税が、分離課税だらけの
   制度のせいで超富裕層にとってはむしろ逆進的になり、
   超金持ち優遇税制になっていることなど、
   天地がひっくり返ってもNHKは言わない。
   これらはみな、ほかならぬ財務省の資料に
   示されていることだというのに。



     □ ▲ ● □

NHKへの悪態はともかく、{中略}の記事から再度引用すると、

●庶民にとって本当に負担が重いのは、年金保険料や
    介護保険料、国保料などであり、
 社会保障の保険料主義、さらには、企業主義的、
 家族主義的な日本の福祉が、限界にきていること。
●日本の政府規模は決して大きくないこと。 社会保障や
 教育費も他の先進国と比べて低いし、これからは社会資本
 のメンテナンス需要も考えたら、実は公共事業費だって
 一定程度は必要で、そうなるとある程度大きな政府にする
 必要がある。  それにはある程度お金持ちから
 負担をいただく必要がある。
●日本の税制は、お金持ちに有利になってしまっている。

といった事実を正しく理解していただけるような資料を、
ブログなりホームページなりに掲載して広く知ってもらうことだ。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • NHKの無見識

    Excerpt: 今朝、2008/08/16 の朝刊を見ると、 「NHKが、不正経理や万引きで懲戒処分を受け、依願退職した元放送局長等」を、「専門モニター」委嘱契約を結んだり、関連団体「NHKサービスセンター」へ再雇.. Weblog: 晩秋 racked: 2010-11-18 03:22