海外旅行(3)

前回、前々回の記事に、メキシコリビエラ・クルーズのツアー
  に参加した旅行で、思いも掛けぬトラブルに遭遇した事、
  不愉快な日本人女性船員が居た事、
   を書いたが、旅行そのものは非常に愉しかった。

今回の米国船籍のクルーズ客船は、船側のサービス、
  乗務員の乗客に対する態度は、日本船と比較して
  それほどの差がある訳でも無いが、エンターテイメント
  のレベルの高さは段違いに素晴らしい。
昨年のイタリア船にしても、今回の米国の船にしても、
  出演者は超一流のプロであり、日本船のものとは、
  大変な違いである。
だが、それを論じるのが本記事の眼目ではないから、
  その詳細は省略する。
アカプルコや、カボサンルーカスなどの訪問地
  に就いては項を改めて書く。

 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

旅の愉しさの一つのポイントは、顔を合わせる人々である
  従来の日本船クルーズの経験で、どの様な不愉快な
  事があったかは、改めて書く心算であるが、
  その主要な部分は人間の問題である。

   一例として、日本船に乗って不愉快な思いをした人で、
  『日本船では 「牢名主」 が居る』
       と言う人が居る。


日本の代表的なクルーズ客船3艘を初めとして、
  夫々の船には贔屓スジの乗客が居て、何度も
  繰返し乗船する。
  数百日の乗船実績を持つ、所謂レピーターである。
船側から見ると有難い、好ましい客だから、色々と
  特別な便宜を図ったりもするし、客同士も何度も
  顔を合わせて馴染になった人達同士で、
   特別な感情が生じるのは、自然である。

顔馴染みになった人達が好意を共有
  するのは何も非難することでないが、
  それが、他の人に対する排除の行為
  になると、不愉快である。 その辺の
  処が、日本船で不愉快な思いをした人人
  の言う 「牢名主」、という表現、
  になるのであろう


  私等、余り乗船経験の少ない者にも、それが
  理解出来るような気もする。
  それが日本人の民族性に由るものか、どうかは、
  知らないが、外国船では、その様なことは皆無である。


★今回の船の乗客の殆どは米国人で、 船内で
  顔を合わせる米国人乗船客は、皆明るい人柄の
  好人物であった。
其処に乗り合わせた日本からの乗客は、吾々のツアー仲間
  15名の他は、2~3名しか居なかった。  が、
  米国在住の日本人、乃至は日系人が、我々の団体よりも
  多数の人が居る模様であった。
そしてこれ等の日本人、日系人達も全て、非常に
  気持ちよい人達であった。
 彼等の多くはこの船のレピーターであったが、
  「牢名主」的な人物は居なくて、 寧ろ我々新人の
  力になり手助けをしよう、とする気持が感じられた。

 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

同船の東洋系レピーターの中に、目立たない、
  と言うよりは、寧ろ可也地味な感じの、 然し乍ら
  実際は大層リッチな、人柄の良い女性(M)さん、
  が居た。


前回の記事:「海外旅行(2)」に書いた、英語力の
  充分でない日本人老女を講習会でサポートした
  親切な日系人というのが、実は、この(M)さんである。
その挙動からみて日系二世の米国人かと見えるが、
  (M)さんは、実は40年ほど前からロスアンジェルス
  に住み着いている日本人であった。

彼女の住所であるパサデナは、 ハリウッド、
  ビバリーヒルズと並んで、ロス郊外の高級住宅地、
  として知られるが、

私共、技術者にとっては、 NASAの
JPL研究所のある場所としての印象が強い。
 其処の住人とは、驚きである。
しかも(M)さんは、思いがけず、
 我々の同郷人だったのだ


         ★ ★ ★
★ 1968に、アポロ衛星で人類は初めて
     月面に降り立ったが、その前年の

1967/8/16 に、ルナー・オービター衛星
  に依って、人類は初めて、月の裏側を観察し、
  「宇宙(月)から見た地球」、の写真を撮った。
その時のルナー・オービター衛星の
  コントロールセンターが、JPL研究所であり、
日本人として最初に、その写真を見た一人
  であるY君が、あの写真を見たのが、
  其処であった。


 (Y君がブログに書いているとおり)、 彼が地球の
  写真に感動し、あの高級住宅地の道路を
  裸足で歩く女性に驚いた頃に、既に、
  この同郷の(M)さんは、そのパサデナの
  地区に、住んでいたのであった


         ★ ★ ★
私は、我々の田舎の出身の成功者が、 郷里の人々
  には知られずに、この様な生活をしている
  ことに驚いた。


現在と違って、私等の子供の頃には、田舎では小学校の
  同級生の殆どは義務教育の小学校で終わり、
  中学に進学するのは同級生の中で 3人位
  のエリート児童だけであった。
  そして、その中学を卒業しても、更に進学して
  田舎を離れて行くのは、ほんの一握りの
  ごく恵まれた連中であって、大部分は郷里に残った。

 (M)さんの母親は、  長野市横町で、
   「二人のピアニスト」氏の祖父の居た
   元善町の隣町の出身、
 父親は、 上田市に近い和(かのう)という所、
   「ピアニスト」の夫人の生家のある
   東部町(現・東御市)の隣村の人 

                       である、という。

(M)さんという、 (デザイナーの仕事に成功して)、 
  パサデナに居を構えた程の人物が、
  同郷に、しかも私等と同年代に、居た
  などとは、全く知らない事であった。


幼い頃、「ピアニスト」は始終、祖父の家に行っていたが、
  (M)さんの母上の家は、其処から100メートル位の
  近所である。  当然、(M)さんと彼とは、
  幼い子供同士で顔を合わせたことが
     あったかも知れない。
「ピアニスト」夫人にしても同様である。   隣村と言っても、田舎の
     人間関係だし、 和には夫人の従兄弟の嫁ぎ先もある。

奇縁である。


 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

★ (M)さんだって、望郷の気持ちは有るであろうし、
長野と言わなくても、せめて日本に帰りたいと
  思うことも、有るかも知れない。
しかし、それをせずに40年間、ロス郊外の
  高級住宅地に住み着いて、遂に外見的には
  日系二世と思われるような生活にしたのは何故か、
   私には分らない。


所で、冒頭の「牢名主」という言葉を教えてくれたのは、日本から同行した、今回初対面の人であった。
今回の記事内容は(M)さんの話だけで終わったが、その他の日本からの同行者も、また、米国在住者も、皆大層人柄も、人間的感度も良い人達であって、凡そ「牢名主」的な人は居なかった。
一方また、(M)さんとは別な人で、矢張り長期間米国に定住してしまっている人から、日本にはその種の人物(「牢名主」的な人)が多い事を嫌って米国に移住した様な事を、やんわりと聴かされたりもした。
(M)さんが帰郷しないのも、その辺に原因が有るのかも知れない。

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