(独り言88)輸入文化・社交ダンスと科学技術

輸入文化・社交ダンスと科学技術         88.12.21

★ 社交ダンスブームである。  戦前戦後を通じて、第何次とかのブームだから、日本にもこの欧米の生活慣習は完全に移植されたのかと思うと、 それが中々そうでないことに気が付く。
 ダンス教習所には、教師以外の人と踊ると変な癖が付くという理由で、 「教習所以外では踊らないように」、 と指導する教師が多いという (客を逃がさぬための営業政策?)。  また、足形を教えるときに、 進行方向に他の人が居て邪魔なら、撥ね飛ばして進みなさい、(避けたりするとフォームが乱れるから)、と教える教師が居るそうである。
お互いの親交を深めることを目的に、 何処でも、誰とでも、和やかに踊るのが社交ダンスであろうに、 誠に本末転倒した妙な話である。


★ 本質を理解しないで、瑣末なテクニックの端に拘るのは、 輸入文化の初期過程には、避けられないことかもしれない。
ダンスホールの教師の中には、周囲で踊る人の迷惑にお構いなく動き回り、 他の客と衝突しそうになると、 「踊りの下手な者が、上手な者に道を譲らないとは何だ」、と睨み付ける手合いが居る。  如何に手足をしなやかに動かす技術に上達しても、 踊りの本質を理解していないこれらの連中には、ダンス教師の資格はない。


★ 日本に於けるダンスの歴史の浅さ、 と言って終えばそれまでだが、 鹿鳴館以来百年になるのだから、 文化の移入とは時間の掛かるものと思う。
米国で車を運転していると、 かなり車間距離を空けても、 日本のような強引な割り込みをされない。  暫く米国流に馴れて帰国し、日本の道路を走ると、「この野蛮人め」、と怒鳴りたい衝動に駆られることがある。
自動車を産み出した社会と、輸入した社会の差で、 これもダンスと似たような事情かもしれない。


★ 科学技術の導入も、社交ダンスとほぼ同じ年月の歴史を持ち、 これに携わる我々は文句無しの一流国になった気分で居る。  しかし、我々は気付かぬが、先輩国から見ると、 時に本質を理解しないと見える所が、有るのではなかろうか。
日本人研究者の論文は、海外学術雑誌に多く掲載されるが、引用される率が極端に低く、 米国の二十分の一、 などというのも、原因はその辺にあるような気がする。




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註記★:「私の独り言{前置き[1]}:2005/4/21」、に述べた理由で、このシリーズの記事を多数並べているが、これらの中で筆者として最もお読み戴きたいのは、次の2編です。
◎[11]私の独り言{明治生まれ:1979/5/26}[2005/7/6]
◎[9]私の独り言{血税の使い方:1978/4/5}:[2005/07/04]
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註記★★:同郷の友人達のブログ記事の幾つかを、佐久間君が、「カルタゴの旅」、にリストアップしています。

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