変人キャズ

アクセスカウンタ

zoom RSS 「科学技術過信の果て」ではない

<<   作成日時 : 2011/04/22 20:39   >>

トラックバック 12 / コメント 0

2011/4/18の毎日新聞「特集ワイド」欄に、
  「レベル7の原発震災は、
     科学技術過信の果てに生じた」、

  との署名記事(中沢雄大)があった。

        ▲ ▲ ▲

  この日の朝、栃木県鹿沼市の国道で、集団登校中の
    小学校の児童6人が、縁石を乗越えて歩道に突入
    したクレーン車にはねられ死亡した事故があり、
    逮捕された運転手柴田将人(26)の居眠り運転が
    原因らしいとの第一報があった。
    翌々日の4/20 日になって、柴田は3年前にも
    同様な事故を起こして小学生に大けがを負わせたうえ
    崖下の民家に突っ込み家屋を破壊して、
    有罪判決を受け執行猶予中であることが出てきた。

  私は、この事故の最大責任者は、柴田に
          執行猶予を与えた裁判官、だと思う。
    柴田という前歴の有る男を、野放しにしなければ、
      児童たちの命が失われることはなかったのだ。
    柴田に執行猶予を出した裁判官を死刑にすべき
    である、と私は考えるが、その裁判官自身は
      今度の鹿沼市の事故を知っても、
      何らの心の痛みを、感じないであろう。
 
    そして、4/21に、又しても、
    26歳の若者の運転する乗用車が縁石を乗り揚げて、
    歩道上で、小学生を負傷させた。

  従来から何度も書いているように、社会的に不当に
    優遇されている司法関係者の処遇を改めない限り、
    日本社会に正義の実現は望めない。
        → ▲轢き逃げ有利の法治国 :[B-100]


  冤罪で数十年間の苦悩の人生を送らされたことが
    明白になった被告に、無罪の再審を行うのに
    何カ月も、平気で待たせて置いたり、
  いい加減な裁判で無罪を言い渡した被告が
    控訴審で死刑判決を受けるようなことになっても、
    責任は取らされない、とか、
  実にいい加減な仕事をしていて、そのくせ一般
    社会人よりも随分と所得面で優遇されている、
     司法関係者、の処遇を改めない限り、
  日本は良くならない。

        ▲ ▲ ▲

     全く同様に、 冒頭の、
  「レベル7の原発震災は
  科学技術過信の果てに生じた」、
      との署名記事、を書いた記者も、
      所説に、過剰な自信、を持っていると思う。
  この様な報道姿勢が
     日本で科学技術を活かさない、ことに、
         無反省でいる


 記事文を、そのまま、引用してみよう: 

      ★ ★ ★ ★ ★

国会で超党派の危機管理都市推進議員連盟の
  会合で、石橋克彦・神戸大学名誉教授(地震学)
  の話があった。
  地震とそれに伴う原発事故と複合する「原発震災」
    を97年から警告し続けたが無視された経緯を紹介。

  地震学の専門家が発言しても、原発至上主義の
     時代には「反原発」のレッテルを貼られるだけ。
  殆どの地震学者は無関心を装い、地震列島である
     日本に原発を作ることには口をつぐむ。
     現代の地震学は60年代後半から緒に就いたばかりで
       福島第一原発一号機が設置許可された
       66年には、その足元にプレート境界巨大断層面
       があるなどと考えられていなかった。
     くしくも原発建設ラッシュ当時の日本列島は
       大地震静穏期で、地震を経験しないままに
       原発が増えていった。
     95年ころを境に地震の活動期に入った。


東北沖の巨大地震については、09年に、
    原発の耐震・構造設計に関する、経済産業省の
    審議会で取上げられていた。 審議会では
  産業技術総合研究所、活断層・地震研究
       センター長の、岡村行信氏が
  貞観地震の再来を考慮すべきだ、と主張したが
    実際に対策に生かされることはなかった。

従来の安全審査が全く機能しなかったことに、
  東大名誉教授、山地憲治・地球環境産業技術
  研究機構所長は、「東電も、政府も、シビア・
  アクシデント・マネージメント(過酷事故対策)
  不十分だった、と指摘する。
過酷事故対策とは79年のスリーマイル島事故を
  教訓に欧米で導入が進んだ危機管理概念だ。 
  「プラント設計の問題というよりも、
   炉心損傷に至らないための、アクシデント対応
      が、出来なかったのが、問題。

日本の原発の設備利用率(稼働率)は世界で2番目
     に低い。 これを高めようと、官民ともに
     努力する一方で、過酷事故が発生した際に
     どう対処するかの訓練・準備が不足していた」。 
  山地所長は、そう分析し、「格納容器内のベント作業や
          海水注入の遅れが議論されているが、
     民間会社の東電は、廃炉にした場合の
          株主への責任など、経営責任を考える。
     最後はやはり、国の判断が重要」
  と、 緊急時における、政府の責任、に言及した。

      ★ ★ ★ ★ ★

此処までの文章は誠に立派、である。 記載内容
  の全てが、報道するのに値する事実である。  但し、
  その後に続く、脈絡なくつけられた2行が、
  記事全体を、破壊、しつくしている


『1896大津波を経験した古老の証言に驚いた吉村明
  による、三陸海岸大津波を記述した文学作品もある。
人間の英知を超えた自然の猛威には、なすすべはない。
  今回の事故で歴史に謙虚に耳を傾け、
  科学技術を過信しない姿勢が、
  改めて問われている』

この記事の何処に、「科学技術を過信した姿勢」が、
       書いてあるのだろう。
  東電の経営者が株主の意向に気を使ったのが
  若し事実であったとしても、それは
  「科学技術の過信」、とは全然別の問題である。
 
原発至上主義の時代には「反原発」のレッテルを
  貼られるのを恐れて、殆どの地震学者は
  無関心を装い、地震列島である日本に原発を
  作ることには口をつぐんだとしたら、それは
  「科学技術の過信」とは全く逆の態度、ではないか。

  現代の地震学は60年代後半から緒に就いた
    ばかりで、福島第一原発一号機が設置許可
    された66年にはその足元にプレート境界巨大
    断層面があるなどと考えられていなかった
  としたら、それは科学技術の未熟であり、
  それが判明した段階で、手直しをするべきだった、
    ということ、だろう。

そして、これらの諸点について、報道の役割
  というものが有るのに、 それが欠けていること
  が、 日本の不幸だと、我々は思い、今までにも
  何度かブログ記事として、主張してきた。
  佐久間氏のブログ記事を参照されるがよい:
    → ▲ 「ジャーナリズム」の罪と罰:[B-144]

この新聞記事の筆者は、岡村行信氏に接触しよう
  としても、報道室経由で、「今後、客観的な
  原因究明がなされるので、一科学者として発言
  をする立場にない」、と答えるのみだ、と
  不満げな書き方、をしている。

実際は分からないが、私の推測では、恐らく
  この記者は、記事末尾に尻尾を露呈したような
    口上で岡村氏に面談を求め、
  岡村氏は、 記者の資質を嗅ぎ取って、
    面接を断ったのだろう。
 この様な記事を評して、昔の人は、
      「百日の説法、屁一つ」、と言ったが、
      この記者は、それを知らないのだろう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(12件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
地震関連ブログ記事のリスト
今回の地震・津波・原発、に関連する内容の、   友人たちのブログ記事を、公開日付順に並べた   リストを作った。 後日の参照の便宜のためである。 ...続きを見る
変人キャズ
2011/04/25 02:45
「報道」の罪と罰
朝の時事対談の番組の中で、   野中氏が現在の日本の国情を憂いて、   “このような状況が出来あがってしまったのは、   政治家も、官僚も、勿論悪いが、「報道」が    ... ...続きを見る
晩秋
2011/05/05 02:03
昭和の青春(2)
前回書いたことだが、 「過去の中に自分の忘れてきた大事なものを見る」 とか、 「成長とか、開発でなく、質のいい文化をつくるのを大切にしたい」 という思いは、10年位前までは、時々それを訴える人が居た。 雑誌の切抜帳を見ると、そういうことを世間に向かって訴えて... ...続きを見る
二人のピアニストに思う
2011/05/05 07:22
福島原発の事故処理(続)
前回の記事では、私は前日来行われている原子炉事故対策   をテレビ報道で見ていて、気が気でなかったことを書いた。  私の心配は、燃料被覆管の破壊  → → →    炉心や、使用済み核燃料保存場などの水不足の対策    として放水車で給水する計画が進行している模様だが、    放水の機械的衝撃で、燃料被覆管が破損して、    内容物の、放射能を持つ核燃料が四散しないだろうか、  ということ、であった。 ...続きを見る
佐久間象川
2011/05/14 07:33
耐震強度偽装問題(続)
前の記事「★[耐震強度偽装問題」に書き、 私が主張したことの練習問題の様な出来事が、新聞に報じられた。 ...続きを見る
変人キャズ
2011/05/15 01:38
「科学技術過信」ではない(続)
地震学者、東大助教授の今村明恒(1870-1948)は   関東大震災や東南海地震を警告したことで知られる。 ...続きを見る
変人キャズ
2011/05/15 14:57
新聞人の劣化
2011/01/24の毎日新聞の「風知草」という欄に、   「問責が壊すもの」という題で、   呆れかえる様な一文が掲載されていた。 ...続きを見る
晩秋
2011/05/19 06:52
原発謝罪の歴史
★ ★ ★ 報告書生きず ★ ★ ★ ...続きを見る
佐久間象川
2011/05/24 18:54
「官僚の弊害」を許したのは誰
6/7の毎日新聞「特集ワイド」は   “外国人記者の見た原発事故“  という視点で、   ニッポンの不思議を語っている。   この欄については、4/18の記事の論旨が無茶苦茶   であることを、 ▲「科学技術過信の果て」ではない       :[C-250]、に批判した。 今回も同様に、よくもこんな思い付き程度の作文を   公器である紙面に出すものと、呆れた。   今回の記事は井田純の署名入りである。 ...続きを見る
変人キャズ
2011/06/12 17:33
「司法」と「報道」(5)
「司法」ということに限定せず、対象テーマを広くとると、 「報道」が自らについての検証が不十分であるのは、毎度目に 付いていた。 「報道」に歪みを齎す仕組みの幾つかについての 仲間のブログ記事を紹介する。 但し、司法関係には、我々も 安心しきってていて、従来は情報を疑うことを知らなかった。  それが、今回のことが有って、司法当事者だけでなく、 その報道にも、随分といい加減なことが有ったのを知った。  ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ...続きを見る
佐久間象川
2011/06/16 02:44
日本人と先見性
ユダヤ人救済への貢献が世界で評価された唯一の日本人   である杉原千畝を、日本はどのように処遇したかを      ▲日本の国際化と杉原氏:[B-157 ]、 に書いた。 同様に、原発、プルトニウムの安全性が論議されるようになった    現在の世界的潮流のなかで、先見性を評価される    高木 仁三郎( じんざぶろう)も、生前は処遇されなかった。 ...続きを見る
佐久間象川
2011/07/09 17:39
原発文化人50人斬り
「原発文化人50人斬り」(佐高信著、毎日新聞社刊)という本を読んだ。 3.11以来急速に変化した世論の中で、 その前日までの自身の原発評価の発言には頬かむりして   原発反対を唱える変節文化人[×]、と、 その以前の辛い環境の中で誠実に生き、現在になって   みるとその主張の正しさ、或いは賛否とは別に   誠実さ、が明かになった文化人[○]、 の、過去の具体的な資料、が記述してある。 ...続きを見る
佐久間象川
2011/09/20 03:58

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「科学技術過信の果て」ではない 変人キャズ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる