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人知を超えたところで、我々のすむ世界を動かす力が働いているような気がしてならないことを、以前にも書いたが、今回また、その思いを重ねた経緯を ▲ 「浅田常三郎」を読んで に書いた。 私が前の記事に書いたことの要点は、 盛田明夫氏にその人生の道を選ばせて、 日本にソニーという企業が産まれるきっかけを作ったのが、 服部学順氏であったこと、である。 その服部氏はその後、東京のD国立大学に移ったが、別段社会的に目立つことなく、生涯を終えた。 が、日本の国に、 ソニーという会社が生まれるきっかけを作った だけでも、大変な功績である。 学者として格別な評価もなかった服部氏であるが、 日本の社会に残した貢献の大きさは、普通の大学教授とは比較にならぬ大きなものであった。 その服部氏の、「もう一つの知られざる功績」、の紹介をする。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ D大學は、服部学順氏の死去の前日の日付で、名誉教授称号を贈った。 但し、大學が本当に服部氏の社会的貢献を評価できていたかと言うと、それは甚だ疑わしい。 というのは、「『(その頃既に大会社になっていた)ソニー』の誕生」の他に、もう一つ、 服部氏は自身の業績ではない「社会的貢献」 をしているのだが、 「(その頃には未だ、世間で全く話題にならなかった)分野、への貢献」 を知る人は殆ど居なかった。 D大學の現在の在籍教職員、学生の中でも、殆ど皆無だと思う。 同大学で、服部氏の同僚として在籍したY君でさえ、知らなかったのだから。 現在では医療関係者ばかりでなく、 癌患者家族を抱える誰でも、知らぬ者のない「MRI」であるが、 D大學は、その技術の誕生した直後(1950、60年代)には、 NMR(核磁気共鳴)の研究で日本の最先端を行っていた。 MRの最初の発見は1945年ソ連で、硫酸銅による電波の共鳴吸収を見つけたのである。 翌1946年、これに刺激された米国で水素原子の原子核の常磁性の共鳴を発見した。 このMRの意義の重要さに気付き、手製の装置を作り測定したのがD大学のグループであった。 D大學の手製の装置で、日本では最初の(NMR)が水素と弗素とインジウムとナトリウムで検出され、 銅の原子核の磁気能率が世界で始めて測定されて米国の原子力委員会に登録され、 同じ原子核でも化合物によって周波数が異なること(化学シフト)がコバルトの原子核でも発見された(1950〜1951)。 この成果は、当時NMRの唯一の先進国米国での研究に決してしてひけをとるものでなかった。 処で、D大学での研究当初に、まだ誰も見たことのないNMR装置を製作しようというF助教授の提案は、先ず先立つ予算の点でつまずいた。 学長は著名な物理学者の寺沢寛一であったので、何とか学内予算を使ってと、教授会を開いて丸二日間教授層を説得したが、結局賛同は得られなかった。 権力を持つ者と、能力を持つ者とが、別であるのは、いつの時代でも同じである。 寺沢はやむなく学長決裁で7万円と自分のポケットから5万円を出し、F助教授は自宅から5万円を工面して、これで装置をつくろうとした。 昭和25年の公務員初任給が3,148円、公務員の給与ベースが6,307円のころである。 処で、敗戦後の当時には、この装置を作るに必要な電解鉄が日本に1トンしかなかった。 D大学は東芝研究所から電解鉄120kgを融通してもらえることになった。 が、運搬が問題である。 (当時の、この困難も、現在の人には理解して貰えないかもしれない) この時にD大學の物理教室にいた服部学順は、 知人に依頼し、ダットサンの荷台に載せて電解鉄とともに当時貴重な2.6mmエナメル銅線220kgを、川崎の東芝から大学に運び、磁石の製作に大いに協力した。 こうしてD大学のグループの手製の装置で、 日本では最初の核磁気共鳴(NMR)が測定されて 上記の成果を挙げた。 此処でも、服部氏は自身の業績ではない「社会的貢献」をしているのだが、 若しも服部氏の存在がなかったならばどうなったか、と考えてしまう。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ その人の業績、とは言えないが、 若しも、その人が居なければ歴史は変わっていただろう、 という場面で、適切な人物が居た、と知ると、 人知を超えたところで、 「我々のすむ世界を動かす力」、 が働いている、ような気がしてならない。 ソニーの誕生にしても、MRの話にしても、である。 私の知る限りで、MRに関する最初の本を書いたのは、 (1950、60年代)にMRの研究で日本の最先端を行っていたD大学のグループのN氏なのだが、 MRI花盛りの現在、D大学の教職員の多くは、それを知らない模様である。 N氏の仲間のK氏(その後、東大教授に移った)は、当時、 D大学に通勤する時に降りる私鉄駅の改札係の少年が、K氏の息子さんと大体同年だが、 「あの改札係の少年の方が、D大學教授の俺よりも給料が多いのだ」、 と、給料の安さをこぼして、口癖に言っていた、のを思い出す。 この様にして業績は忘れ去られ、安い給料で働いた人々(N氏、K氏、服部氏)の努力の成果として花開いたMRIが、 現代医学で非常に役立っている。 社会の仕組みと言うものであろう。 浅田常三郎の評伝を読んで、この様な感想を持つのは、 私の老化現象の一つなのか、或いは成熟の成果で若い時には見えなかったものが見えるようになったのか分からない。 |
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【日記】地球温暖化議論、毎日「WaiWai」問題、共謀罪、青少年インターネット規制
今週末は用があるので、週一のブログでも書いてしまおうかと。ここのところ、「きまぐれな日々」によくお邪魔させていただいて、先日は、フンニャメロ日記にもお邪魔させていただきました。いつに無くおだやかな気持ちの日々を過ごしておりました。「地球温暖化CO2悪玉論」の当否について検証を試みられており、とても意欲的だと思いました。この議論がテレビに出てこないことで、テレビ不信はありますが、ニュースではありませんし。 ...続きを見る |
散策 2008/07/31 05:59 |
終戦の日とメデイアの無見識
今月6日、9日は夫々、広島、長崎の63回目の原爆の日なので、 例年のように、現地では犠牲者慰霊平和祈念式典があった。 ...続きを見る |
二人のピアニストに思う 2008/08/14 14:04 |
【日記】「陰謀論」と「仮説」の境界は主観だと思う(グルジア問題を例に)
眠り猫さんの「【陰謀論批判】一般論から見た、「陰謀論」批判」を見て、それまでの他のブログなども拝見しながら思ったことも合わせて書きたいと思います。 http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/104547571.html ...続きを見る |
散策 2008/08/16 13:38 |
昭和の青春(4)戸隠ブログを見て
戸隠ブログ3編の要約をまづ、紹介する。 ...続きを見る |
二人のピアニストに思う 2008/08/30 14:13 |
千円札肖像画と力士大麻吸引事件
「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一著、講談社現代新書)を読んだ。 書評で大好評であったが、狭い我が家で書物を購入するのは居住スペースの関係で許されないので、図書館で借用申込みをした。 これが中々順番が回って来なくて、1年近く待ち漸く読むことが出来た。 多くのことを教えられたが最も衝撃の大きかったことは、この本の18〜22頁に書かれている、 野口英世の評価 に纏わる話である。 ...続きを見る |
佐久間象川 2008/09/10 09:51 |
日本人四人のノーベル賞受賞
2008/10の7・8日に相次いで、ノーベル物理学賞、化学賞の今年度受章者の発表があり、物理学賞を南部陽一郎、小林誠、益川敏英氏に、化学賞を下村脩氏に授与されることが公知された。 私は、この四氏の受賞を心から嬉しく思った。 その理由を此処に書き止めて置きたく思う。 ...続きを見る |
二人のピアニストに思う 2008/10/11 05:31 |
2008秋の叙勲を見て
毎年、11月3日の新聞には秋の叙勲のニュースが載る。 その記事は年々小さくなり、目立たなくなって、今年は新聞に依っては一面の記事目録にも載っていない有様である。 我々の仲間は政府の行なう授賞、叙勲などの現実には大層不信を持っている。 その為に、今までに、(この記事の文末にリストを挙げるように)、仲間たちはその関連記事をかなり書いている。 それにも関わらず、従来私等の知らなかった事を最近になって知った。 ...続きを見る |
変人キャズ 2008/11/03 08:47 |
2009春の叙勲を見て
我々の仲間は、政府の行なう授賞、叙勲などの現実には大層不信を、持っている。 その為に、今までに仲間たちはその関連記事をかなり書いている。 文末に、仲間の今までに書いた、関連記事のリストを、 キャズ君の記事、 ▲2008秋の叙勲を見て :[C-173]、からコピーし、加筆転載する。 ...続きを見る |
佐久間象川 2009/04/30 02:11 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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盛田明夫に、浅田常三郎に師事する様に薦めた服部学順。その盛田が後に井深と共に世界のソニーを創った。 |
Alps 2008/07/13 10:45 |
服部氏の様な業績を評価するシステムが、社会に在ってしかるべきではないのか。 |
痩せ蛙 2008/07/16 05:07 |
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