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zoom RSS 感度の有無(5)交通警官

<<   作成日時 : 2006/08/15 15:23   >>

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Y君とR君が車に乗っていて、交通警官に捕まり、
  運転方法に就いての議論になった。
   「俺は、こういう運転で、過去40年間に、
      50万キロの運転をして、無事故だ」、

と説明しても、 警官は、
   「今までに40年間は無事故であっても、
      明日、事故を起こすかもしれない」、

と主張して、 話にならない。


我々の仲間は、技術屋が多いこともあり、日本社会では比較的早い時期から
車の運転をして来ているが、 過去数十万キロ以上の運転経歴が有りながら、
全員無事故である。
仲間の内では、事故を起こすことは恥しいことである。

[ 註 :普通のドライバーは1万キロに一度位、事故を起こすので、
       2万キロ無事故の確率は(1/4)である。
       3万キロ無事故の確率は(1/8)、
       20万キロ無事故の確率は(104万分のT)である。
        27万キロ無事故の確率は(1億3420万分のT)、
             確率的に、一億人に一人も居ない優良運転手。
       50万キロ無事故の確率は(1125兆分のT)、
        つまり私は、千兆人に一人も居ない優良運転手である
。 


★ 「今まで事故は無くても、明日事故があるかも知れない」、
   の論法を最後まで押し通せば、飛行機を飛ばすことも、
      許されない行為になる。
  現在の飛行機が事故を起こす確率と、現実生活の利便
      を秤に架けて、 絶対に安全とは云えないが、
      我々は、飛行機を飛ばしている、のである。


それを支えているのが、我々の仲間であり、従って、仲間の内では、
      事故を起こすことは、恥しいことである。


警察官にとっては
     事故を起こすことは、「怪しからぬこと」、ではあっても、
                  「恥しいこと」、 ではない。
     YやRの、「そんな恥しいことはしない」、という神経は理解出来ない。
     「今まで事故は無くても、明日事故があるかも知れない」、
                    は、論理としては正しい。
      警察官はそれに自信を持っているから、頑張る。
一方、Y君とR君は、推計学的に物事を処理する癖、が基本に在る。
      この実績を披露しても理解出来ない相手、がもどかしい。


 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

★面白いのは、この警官との押し問答が始まって、 直ぐに
                    Y君は沈黙してしまったことだ。
   大騒ぎで論争を展開し、警察署まで行って問題を処理し終えた後で、
   R君はY君に噛み付いた。  「お前は友達甲斐のない奴だ。
   何故、俺一人に喋らせて、お前は黙っていたのか」、と。
   Y君は云った。 「あの警官の頭脳程度では、確率的にどう、
     という論理は理解出来ないよ。 喋る事は無駄な事だよ」。

つまり、学校で出来の良い学生も、資質の劣る学生もを、相手にして
   暮らしてきたY君にとっては、説得の努力ではどうにもならない限界。
   受け入れ側の能力の壁(バカの壁)、が最初から見えてしまった。


どうせ、IQ100以下の警官程度の頭には、理解出来ない話題だ、
   と見て取った結果の沈黙、であった。 ・ ・ ・
      IQの低い人間に 確率論の説得は無駄、 と判断したのだ。
一方、R君は、「話せば分る」と思って、半日間の大騒動を行なったのであった。


★昔、聞いた話では、数学で極限概念を理解し、微積分の習得をする
  のには、IQ:120以上の者でなければ、教師の努力ではどうにもならない。
 同様に、確率概念を理解するには、IQ:110以上でなければ駄目だ、
                                という事であった。
その事自身が正しいかどうかは別として、この種の限界は確かに存在する。
その資質の無い者には、説明の方法とか、時間とか、
  の問題でなく、所詮、理解させる事が不可能、なのである


人間という動物種の中で、個体差に依って、有る者と、無い者とがある『能力』、
     の一つに、鍵があるように思う。
『感度のない自分』の粗末な視力には見えないが、世の中に、
『感度のある人』、には見えて確実に存在するもののあること
を、理解出来る人と、 それが理解出来ない人が居る。 このことである。

色盲の人は、世間では自分には分らない『色』というものがある、
          という事実を承知しているから、問題を起こさない。
 (但し、若しも、1000人の内、999人が色盲である社会、に行けば
          色を識別できる人間が、「変人」
、である。)

★私が面白く思ったのは、こうした場合、普通の社会人ならば、
   警官を相手に確率論から推計学の話をして、過去10年間無事故の人間と、
       毎年事故を起こす人間の差、 の有意性を論じる所だが、
   Y君はそれを敢えてしないで沈黙してしまった事。
   つまり、彼は目の前に居る、一人の知能指数の弱い警官に、
      貴重な彼の時間を割いて教育することの虚しさを、
   瞬間的に考えたのである。

恐らくは、Y君は学園紛争の時に、紛争学生を相手に、数百時間の
   虚しい議論、説得を行なって、それから学習する所が有ったのだろう。

紛争学生、テロリスト[B-45]}、に書かれているように、
   学生の中でも、とりわけ出来の悪い人物を相手に説得の努力をして、
   若しも、それが相手に受け入れられたとしても、結果は一人だけである。
   大学全体では何千人もいる学生の中の、たった一人の学生を説得しても、
   全体を動かすことには全くならない。
その虚しさを身に沁みて感じたY君は、交通警官一人に時間を割く事に、
           最初から意義を見出せなかったのだ


 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

★念のために、蛇足を付け加えておく。
警官が知能指数が低いのは、恥ずべき事でも何でもない。
倫理観が低いのは恥しい事だし、或いは腕力の弱いのは職業的には感心できない
   かもしれないが、知能指数が低くても、視力・聴力が弱くても、
   別に何も責められるべきことではない。
[2005/8/26] に、{ 「因果関係の理解」[C-61]}、に書いたレベルの(問題点)は
   現場警察官ではなくて、責任ある地位の官僚・為政者に問うべき事である。

 [ 「研究環境」 [C-24]]の大学事務官も、内容的には同一の話かもしれない。
   あの話を読んで、読者はどのようにお感じになったであろうか。
   研究室に私物の電気冷蔵庫を持ち込む違法行為をするY君が怪しからぬ、
   と思ったり、 その様な状況では研究は止めるべきだ、
                      と思う人は居ないと思う。
が、しかしまた、問題の大学事務官は、交通警官と同様に、
   知能レベルが低くて、問題の本質を理解する事
         は出来ないが、 真面目な人なのだ。
ここでも問題の根本は、責任ある地位の官僚・為政者
         に問うべき事である。


 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

[後註]:2006/10/7までに書いた、「人間の感度」の関係記事は以下の通りである。
★[C-127][2006/07/27]:感度の有無(1)・きらり
★[C-128][2006/07/27]:感度の有無(2)・悪党
★[C-129][2006/08/6]:感度の有無(3) 原爆関係者
★[C-130][2006/08/12]:感度の有無(4)民主主義
★[C-131][2006/08/15]: 感度の有無(5)交通警官
★[C-132][2006/08/21]: 感度の有無(6) O電鉄・バス
★[C-136][2006/10/07]:感度の有無(7)小泉内閣

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