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zoom RSS 御前崎初訪問の旅

<<   作成日時 : 2005/12/04 14:14   >>

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旧友と一緒に御前崎に遊んだ。 その為に前日、浜松に泊まり、浜松市楽器博物館を訪れた。  私は御前崎も初めてだが、楽器博物館は、その存在すら知らなかった。 浜松在住の友人に教えられて見学し、その素晴らしさに驚いた。

貴重な収集品、神経の行き届いた説明、展示法の工夫、に感動した、と同時に私は大変に不安に感じるものがあった。
 佐久間象川ブログ:[2005/11/27] 「カルタゴの旅」補足 にあるように浜松市は今、一つの重大な時期を迎えつつあるようだ。
その深刻な状況の中でこの素晴らしい市立博物館は今後も大丈夫なのだろうか。


★友人に入場料が400円であると聞いていたので、玄関入り口で受付のデスクに座る女性に千円札を出すと、600円のお釣を手渡された。
それを受け取りながらデスクの上に置かれた入館説明書をふと見ると、入場料は、子供が幾ら、成人は幾ら、団体はどう、とか書いてある最後に、70歳以上は無料とある。

私がその説明書を見ているのに気付いた受付の女性は、「70歳になると無料になります」、と言った。
私が既に該当していると言うと、彼女は『貴方は60歳くらいでしょう』、と言う。
「もう80歳近い年齢で、住居地の市役所からは喜寿の祝いも貰った」、と言うと、彼女は『何か証明になるものをお持ちですか』、と言う。

確かに、私は実年齢よりも比較的若く見られることがあるが、お世辞で「お若い」と言われることも有る、と思っている。
しかし、この場合、「証明になるものを」、とまで云われると、これは社交辞令でなく、確実に彼女がその様に見てくれたのが分るので、嬉しくなった。


所が、この話を後になって知人に話すと、「何も、証拠を見せろ、とまで云うことはないだろう」、と息巻いた。
確かに普通の場合、この様な時には怪しいと思っても黙って受容れるのが一種の常識かもしれない。
私は迂闊にも、その様な考え方をしないで、「若く見られた」、と単純に喜んでいた。
しかし、この知人の意見を聞いて、私はまたぞろ嬉しくなった。
 その理由を説明しよう。


此処の受付のデスクに居た女性が性格の偏屈のために言っているのでない事は、この話の寸前の行き届いた館内説明で良く理解できた。
その彼女は、自分の眼で見て信じられなかったから証明を求めた。
 極めてまともな行為である。
しかし、現在の日本社会では、特に都会人種では、その様な「まともさ」が通じ難くなっている。

会社決算を監査するのが仕事の筈の監査役は、決算報告書に偽りの在る事を知りながら、監査OKを出す。
耐震構造設計に問題が有る、と承知の上で、指定確認検査機関も、認可官庁の官僚も、認可する。
更には、その件が問題化しそうになると、政治家がもみ消しに掛かる。

分数の計算も出来ない学力の学生だと承知の上で、理工系大学の教授は単位を賦与し、卒業証書を出す。
食品売り場での産地表示など、全く当てにならない。
時速40キロ制限の道路は、60キロくらいのスピードで、走るものである。

これ等が社会常識になっていて、それを咎め立てすると、逆に非常識扱いをされる。

この様な国に住み慣れた者にとって、自分の職分を忠実に履行しようとしている、入館受付の女性は、本当に立派である。
展示品だけでなく、それを守る人達も素晴らしい、と私は嬉しくなった



★この日は、浜松から御前崎までレンタカーで行ったのだが、そのレンタカー会社の従業員の若い女性がまた、実に見事であった。
車の説明の要領の良さ、言葉遣い、その上、業務には関係の無いことだが、容姿から美貌に至るまで、その見事さは、惚れ惚れするほどであった。

私がNHKの会長であったなら、アナウンサー共を教育し直してもらうのに彼女を起用する。
そうすれば、受信契約の減少で、「法的措置を取るぞ」、などと、みっともない脅しをする必要も無くなるであろう。


★御前崎に着いてからの食堂の小母さん、売店のおばさん、浜岡原子力館の職員、来訪者、なども含めて、この地の人人の挙措、言動に感動したことは、他にも幾つか有るが、長くなるから省略する。

その日、新幹線から降りて東京の土を踏み、エレベーターを待つ数人の人達の後ろに付いたら、エレベーターの扉の空いた時に、前に待つ人たちを押し退けて、最初に乗り込んだのが、私よりも後に最後に来たオバサン3人連れであった。
 浜松から東京に戻ったのだと気が付いた。

唯一つ残った疑問は、同じDNAを持った筈の日本人で有りながら何故、大都会で消失したこれ等の人間的な美徳が、この様に、地方都市で残っているのであろう。

この様なことに拘って、「御前崎の眺望などの記述の無い旅行記」を書くから、私は「変人」なのだ。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
変人でも何でも構わない。浜松でのご経験から、世相の深層に迫る論調は、我が意を得たりの感がある。
このような思想を抱く人々が増えてきたら、さぞ住み易い社会になるだろう。
只、今回ご経験の人々は偶々僥倖で出会ったのかも知れないので、浜松の住人としては一方でこのような事実があった事を市民に知っていただくと共に、今後もこのような人々の増えることを望んでいる。
Alps
2005/12/04 22:09
車の運転は気をつけて下さい。
私は、雨の降る晩は
まず出ません。
イプサム
2005/12/05 22:39
Alps様、浜松および浜松市民が素晴らしい現在の良さを持ち続けられるよう、願っています。

イプサム様、ご注意を有難う御座いますが、私も老化が進んでボケているものだから、ご趣旨が良く理解できないのです。
@お前の様なことばかり言っていると危ないから狙われないように気を付けろ、とのご忠告なのか
A年寄りの運転は危ないぞ、との意味か?
もしAの方でしたら、私の独り言:1978/3/15} 「MTBF」http://kyaz.at.webry.info/200507/article_2.htmlを書いてからも無事故運転が続いて、現在まで50万キロ無事故運転をしているので、ご休心下さい。
変人キャズ
2005/12/06 08:19
2005.12.7の毎日新聞、経済欄のコラム「経済観測」(幸兵衛)に全く同様な主張が有りました。共感出来るご意見です。次第にこの様な考え方が広がるのでしょう。
陸軍機密費
2005/12/07 06:37
大変失礼しました。
お許しください。
まさか50万キロ無事故運転
とは、思いませんでした。
イプサム
2005/12/07 21:05

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