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help RSS (独り言62)「航空機事故」

<<   作成日時 : 2005/08/30 01:44   >>

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「航空機事故」                     81.9.2

★ 台湾機の事故で 邦人を含む乗客乗員が遭難した。  ”飛行機は安全”といわれながら、けっこう空の旅で恐ろしい思いをした人の話を聞く。
 私自身が事故機に乗り合わせた経験を書いてみたい。

★ 10余年前、まだジャンボが現れる前のある夏の日、ロンドン発ボストン行きの大西洋横断のTWA機に乗った。  座席は空いており、乗客はバラバラに席を占めていた。  最初はすべてが順調だった。
離陸後数時間、ちょうど大西洋の真ん中へんで、突如、機内の気圧が低下し、機体が激しくゆれた。  気圧の抜けた時は、炎天下で日射病を起こした時のように目前が暗くなり姿勢を保てなくなり、意識が薄れるのを覚えた。


★ それまで英、独、仏三ヵ国語による優しげな機内アナウンスとうって変わった、 叩きつけるような激しい調子の英語のみによる放送が 、「禁煙」、 「酸素マスクをとれ」、 と叫んだ。

酸素マスクを着けると、たちまち意識がはっきりした。  何事が起こったのかの説明はなかったが、ふと窓外を見ると、左翼先端側のエンジンが火を吐いていた。  火は間も無く消え、続いて大量の黒煙が噴出した。
やがて機は海面すれすれまで降りて、水平飛行に入り、エンジンの黒煙もやんだ。
 がこの頃になると、主翼が白鳥の翼のように、上下に大きくはばたくようになった



★ 飛行機の翼というものがあれほど柔軟に変形するとは知らなかった。  金属の繰り返し折り曲げによる疲労で、間もなく翼は付け根の所で折れるに違いない。  陸地までの数時間はとても持つまい、と思った。
機体は大西洋の底に沈むだろう。 しかし非常に運が良ければ、遺体だけは浮いて回収されるかもしれない、と考えた。
あるいは海面上になんとか着水するかもしれぬが、唯一の有色人種である私は救命ボートから弾き出されるかもしれぬとも考えた。


★ 私は遺言を書いた。
  「英国での仕事も上首尾だった。 この旅で分不相応に多額にかけた保険があるから、家族は食うに困らぬだろう。
人間一度は死ぬが、ガン死などと違って、肉体的苦痛のない死は楽だ。 ここで死んでも思い残すことはない」。
この遺言状が家族の手に渡る万一の僥倖を祈りながら、上着のポケットに収めた。


★ 機内は終始静かで、泣き叫ぶ者、ものを言う者は一人もいなかった。
 が、ロンドン空港に無事到着した途端、乗客は暴徒と化した。  航空会社社員の胸ぐらを掴んで食ってかかり、大騒ぎとなった。


米国の友人にこの経験を話すと、死を目前にした私の感じ方は、東洋的で羨ましい、と言われた。
旅先でこんな事故にあったことを、その後も私は老父母に話してない。




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註記:「私の独り言{前置き[1]}:2005/4/21」に述べた理由で、このシリーズの記事を多数並べているが、これらの中で筆者として最もお読み戴きたいのは、次の2編です。
◎[11]私の独り言{明治生まれ:1979/5/26}[2005/7/6]
◎[9]私の独り言{血税の使い方:1978/4/5}:[2005/07/04]
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
死を目前にした時の感覚は
欧米人と日本人では、
かなり違うのでしょうか?
「死んだら仏様」
「死んでお詫びを」などは
外国人には理解できないもの
なのでしょうか?
イプサム
2006/06/16 21:38
あの時に、米国人達に言われたのは、「俺だったら、自分の死で頭が一杯になり、保険金が有るから家族は困らない、等とは考えない。
お前の様な考え方は、東洋的で羨ましい」
というものでした。
変人キャズ
2006/06/17 01:44
2006/6/15イプサム・ブログ[食べる事も、息する事も出来ない生]への私のコメント、を此処にも残して置く:
@40年ほども前に、私が安楽死運動に首を突っ込む切っ掛けとなった体験談をTBさせて戴きました。安楽死運動自身に就いてのブログ記事はないので。 
尊厳死協会に切り替わった時に、積極的安楽死を切り落としたのが不満で、運動から手を引いたのでした。
A尊厳死という言葉を使って話が出来るようになっただけでも、時代の進歩を感じます。
昔、安楽死協会の運動をしていた頃、厚生省の役人はこれを嫌って、法人格を認可しなかったため、任意団体の活動に限定され、行き詰まった。 仕方がないので、消極的安楽死に限定して、「尊厳死協会」が発足し、法人になれたため、現在の活動が可能になった。
日本では役人の存在が、文明世界への移行を、何時でも妨げる。
変人キャズ
2006/07/12 05:47

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