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zoom RSS (独り言59)「論文インフレ」

<<   作成日時 : 2005/08/27 03:53   >>

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「論文インフレ」                  81.8.1

★ 学術雑誌に発表される論文の数が激増した。  ”論文インフレ”は困った問題である。
サイエンス81年3月13日号の記事を雑誌「自然」7月号が紹介したところによると、

この状況は学術情報の生産性の増加を意味するのではなく、発表方法の変化に原因がある、といている。

そして、同じデータを重複して発表したり、こまぎれに短縮分断した論文を数多く発表したり、という傾向が指摘されている。


★ この問題の対策を考えるには、 @なぜ、このような事態が生じるのか、 A困るとはどういうことか−、 の2点を考えてみる必要がある。

 @については、研究者の地位の昇進を決める上で発表論文数がモノをいうという現実がある。
論文の質の評価は難しいが、量の比較は子供でも出来る。  論文数の比較で研究者の優劣を比べるというのは、ちょっと尤もらしいところがあるので、このような慣行が出来易い。  ところが他にも原因がある。
 Aについて,困るのは論文を読む側であって、発表する側ではないことに注意せねばならない。
このことに関連して、印刷論文でなく学会の口頭発表でも、大多数の良心的な研究者は既に一度よそで発表したことを、繰返し語らない。 が、聞く(読む)側にとっては大層困るのである。
北海道で開催された秋の学会に行ったら、講演者が「春の九州の学会で発表した部分は省きます」などという。一年中すべての学会に出ていなければ情報漏れが生じる。


★ さらに困るのは境界領域の仕事である。  ごく限られたテーマについて医学・薬学・物理・電子の専門家が集まるような機会に、物理学上の大きな発見を発表する気にはなれない。  それは物理学の専門家が多数集まる場所で発表したい、ということも起こる。
 学術情報の流通の仕方とか意義が昔とは変わってしまったのである。


研究者の新しい倫理として、「同一内容の発表を何か所で行っても差し支えない。  但し、業績評価に当たっては発表論文数は問題にしない」、 というルールが確立すれば良いのだが。


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註記:「私の独り言{前置き[1]}:2005/4/21」に述べた理由で、このシリーズの記事を多数並べているが、これらの中で筆者として最もお読み戴きたいのは、次の2編です。
◎[11]私の独り言{明治生まれ:1979/5/26}[2005/7/6]
◎[9]私の独り言{血税の使い方:1978/4/5}:[2005/07/04]
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